拒絶体験の傷を手当てする方法
拒絶体験が引き起こす症状は4つありました。
症状1)心がズキッと痛む
症状2)怒りを感じ、攻撃性が高まる
症状3)自分が価値のない人間に思える
症状4)人との繫がりが不足する
こうした症状がすぐに消えず長引くようなら放置するのは危険です。
傷を悪化させないために手当てする方法をみていきましょう。
手当1)自己否定を言い負かす
手当2)自信を注入する
手当3)繋がりの感覚を取り戻す
手当4)痛みへの感度を下げる
では一つずつみていきましょう。
手当1)自己否定を言い負かす
過去の行動を反省するのはいいことです。
ただし、傷が癒えていない内はあまりやり過ぎてはいけません。
自分の欠点を列挙したり、過去の行動のあら探しをしていると拒絶体験の傷は
余計に痛みます。
なので拒絶体験をしたときは自分に甘いくらいでいいのです。
傷口を保護して、治すのが先決です。
とはいえ、自己否定の声を無視するのは簡単ではありません。
油断すると頭の中に
「だから自分はだめなんだ」という声が響いています。
その声に負けないためには、自己否定の内容に反論し、自分にやさしい考え方を
採用するのが効果的です。
自分を必要以上に責めないように公平な見方を手に入れましょう。
自己否定に反論するには
1)自分に対する批判やネガティブな考えを紙に書き出す
2)1)で書いた考えに対して、それとは違う可能性(*)を紙に書いてみる
3)否定的な考えが頭に浮かぶたびに2)で書いた反論を頭の中で復唱する
(*)違う可能性の例
例えば、好きな人にふられた場合
愛の告白を断ったり、恋人と別れたりするのは、実にさまざまな理由があります。
ほとんどは、ふられた側の欠点とは無関係です。
・あなたに魅力がないのではなく、たまたま相手の好みに一致しなかった
・ライフスタイルの不一致(インドア派とアウトドア派など)
・相手の家庭の事情や個人的な問題
・相手の性格
手当2)自信を注入する
拒絶されて自信をなくしている時は自分の長所を思い出すのが効果的です。
自信を注入するエクササイズを紹介します。
1)自分の性格や特徴の中で、良いと思うところを5つ紙に書き出します。
特に拒絶体験のシチュエーションに関係することを選ぶと効果的です。
2)その5つの長所を自分にとって大事な順に並び替える。
3)上位3つの長所について思うことを短い文章で書いてみる。
文章には次の3つの点を入れましょう。
①なぞその特徴が大事なのか
②その特徴のおかげでどんな良いことがあったか
③その特徴は自分という人間にどんな影響を与えているか
手当3)繋がりの感覚を取り戻す
拒絶されて辛い思いをすると人と接するのが怖くなります。
でも、そんな時こそ、あえて人と接する努力をしましょう。
人との繫がりはストレス全般を減らす効果があり、特に拒絶の傷には抜群の
効果を発揮するからです。
孤独な時、人は不安になりがちです。
でも誰かと話をすれば「自分はここに居ていいんだ」という感覚が戻ってきます。
差別的な拒絶体験の苦痛を味わった時は、自分が持つ特徴に近い人たちや共通点のある人たちと話をするのが効果的です。
同じ特徴を持つ仲間に支えてもらうことで、怒りや憂うつな気分が和らぎ
アイデンティティを取り戻し、不当な扱いによって損なわれた自信を埋め合わせる
ことが出来ます。
仲間を求める気持ちには代替性があります。
つまり誰かに拒絶された時、別の誰かにその穴を埋めてもらうことが可能と
いうことです。
手当4)痛みへの感度を下げる
苦手な状況を何度も経験する内に心が慣れて以前ほど苦痛を感じなくなります。
これを心理学では脱感作(だっかんさ)と呼びます。
例えば、セールの電話をしていきなり切られたり、何度もオーディションに落ちたり。
脱感作は拒絶の痛みを減らすための有効な手段ですが使い過ぎに注意しましょう。
用法、用量を間違えると心が余計に傷つくことがあります。
予め練習したい状況を決めて、時間と場所をはっきり限定するのが効果的です。