自己管理2
1.感情のコントロール
仕掛け人がわざと被験者を怒らせた後、被験者にいずれかの行動を取らせた。
Aチームの被験者:感情をあらわにしてもらう
結果:最も攻撃的、音は大きく、時間も長かった。
Bチームの被験者:気を紛らわせてもらう
結果:攻撃的ではあったが、他の対処法を考える余裕はあった。
Cチームの被験者:静かに過ごしてもらう
結果:落ち着いて攻撃的な行動には出なかった
つまり、
怒りを発散させようとすると、逆に怒りは増幅し
静かに座っていると、怒りは落ち着く。
私たちの体は喜怒哀楽などの感情にとても従順に反応します。
感情の状態→体の状態といえます。
ところがその逆も成り立つのです。
つまり、体の状態が感情をつくることもあります。
そのため、実験結果のように静かに座るだけで、荒れた感情も落ち着くのです。
そして攻撃的な行動は怒りなどの感情を強めます。
カッとなったら目を閉じて深く呼吸をして瞑想するのが一番なんです。
2.姿勢と呼吸に気を付ける
男女数名の被験者に1分間ずつ2通りのポーズを取らせた。
Aチーム:横柄な態度で座って、頭の後ろに手を回し、足はデスクに乗せる
Bチーム:手をひざの上に乗せ、肩をすぼめて座る
【結果】
Aチーム:パワフルな気分になった。テストステロンが上昇し、コルチゾールが低下。
Bチーム:無力感を覚えた。テストステロンが減少し、コルチゾールが増加した。
テストステロン:男性ホルモンの一種。増加すると優越性、競争心、病気への抵抗力UP
コルチゾール:ストレスを受けると分泌量が増える。身の危険を感じると出るホルモン
つまり、
気分が姿勢に影響を与える一方で
姿勢も気分に影響を与える。
男女の差なく、元気がいいと堂々とする、堂々とすると元気になる、という法則が
あります。
これを意識するだけで一日の中で元気な時間が長くなります。
疲れたり、弱っている時こそ、動作を大きく、背筋を伸ばして、堂々としましょう。
3.分析病のワナ
Aチームの被験者には、氷水にできるだけ長く手を入れてもらった
Bチームには、ペンの色、好みのTシャツなどの「選択」作業をさせた後
氷水にできるだけ長く手を入れてもらった
【結果】
Bチームの方が早く手を出した。
同様に数学の問題をといてもらうと
Bチームの方がミスが多く、あきらめも早かった。
つまり、
事前に考えすぎたり、分析しすぎたりすると行動力が鈍る傾向がある。
自制心とは、感情をコントロールして、目の前の出来事に合わせて態度を
適応させる能力です。
この自制心は筋肉同様、使うと減ることが知られています。
そして、使わないと弱まり、使うほど鍛えられます。
やりたくないことをする度に自制心は消耗していきます。
そして当然のことながら、自制心が減って来ると感情的になり、目の前の出来事
にながされやすくなります。
自制心は寝起きが一番高いので、重要な仕事は午前中に片付けること。
また頭を使う仕事の合間に机の上を整理したり、コピーを取ったり、あまり頭を
使わない単純作業を入れると自制心が保たれます。