自己管理3
1.何冊も並行読みする
被験者は4つの難しい立体の面積の求め方を勉強する。
Aチームの被験者には、立体の種類ごとに練習問題を解かせた
Bチームには、種類ごとではなく順不同に練習問題を解かせた
【結果】
正答率は
Aチーム 89%
Bチーム 60%
しかし、1週間後にテストしたところ
Aチーム 20%
Bチーム 63%
つまり、
交互練習は集中練習に比べて理解しづらく、成果も実感しづらいが
長期記憶の役に立つ。
ある特定の知識を身に付けたいと思ったらどうしますか?
「その分野の本を片っ端から買ってきて、集中して一気に読む」
という人が多いのではないでしょうか?
ところが集中学習は、目前のテストやプレゼンには効果を発揮したとしても
長期的には記憶に残りにくいということが知られています。
この記憶のクセは、誰にでも経験があるはずです。
例えば、誰かに本の内容を話そうとしても上手く伝えられない。
こういう時は飽きたらすぐに他の本に手を付ける方が効果があり〼。
読む本によって視点が変わり、内容をより理解できるようになり記憶に
残りやすくなります。
2.共感からはじめる
5人一組になってカードに書かれたセント同じ長さの線を3つから選ぶ
という実験を行った。
5人の内、被験者は1人、4人が仕掛け人。
5人はしばらく同じ答えを選び続けた。
ところが最後の問題で
仕掛け人が明らかに間違った答えを選んだ。
【結果】
すると30%以上の被験者が同調した。
つまり、自発的な判断は正しいか間違っているかとは関係なく、
集団に合わせたいという心理に左右される。
話のつかみがうまいスピーカーはよくイエスセットという話法を使います。
これは「イエス」という反応を期待できる問いかけを3回くり返した後は
次もイエスと言いやすく、話し手に肯定的な印象を持つというテクニックです。
なので商談もいきなり切り出さず、雑談の中でたくさん共感を得てからの方が
スムーズにいくはずです。
また反対側の立場なら「共感をくり返すと何でも肯定しやすくなる」ことを
覚えておきましょう。
自分はしっかりしているつもりでも、案外人は簡単に誘導される性質があります。
3.求められている以上のことをする
実験A)
被験者である老人ぼーむの入所者に観葉植物を配る。
Aチームには、自分で植物の世話をさせる
Bチームは、職員が世話をする
【結果】
半年後、亡くなった人の数は
Aチーム 15%
Bチーム 30%
実験B)
学生が定期的に老人ホームを訪問した。
Aチームは、学生の次の訪問日と滞在時間を入所者が決める
Bチームは、学生が決める
【結果】
2か月後
Aチーム 健康で活動的で、薬の副表量が少なかった
Bチーム 死亡者が多かった
つまり、自分でコントロールできることがあると
幸せで健康的な生活を維持できる。
「自分で決める」という好意はエネルギーを消費する一方で、
生きがいを与えてくれるものです。
そして健康を維持するためにも欠かせないものです。
自由は生命活動の基本。
仕事でも家庭でも自由を奪われるとドンドン生命力が低下してしまうのかも
しれません。
私たちはついつい ”楽” や ”便利” を追い求めがちです。
でもそれは自分でやらなくてもいい、自分で決めなくてもいい、を増やす行為です。
健康的に幸せな気持ちで働くためには
「多少面倒くさくても、決められることは自分で決めて、やれることは自分でやる」
という気持ちが必要なのです。