自分のココロに気づくブログ

不安や悩みと向き合う切っ掛け

孤独が引き起こす症状

世界はどんどん狭くなっています。

SNSの登場により、何十人、何百人の人と同時に繋がることが可能になりました。

家にいながら恋人候補の膨大なリストが見られますし、クリックひとつで

地球の反対側にいる人と友達になることもできます。

 

ところが、かつてないほどの繋がりに取り囲まれながら、人は益々孤独に

なっているようです。

 

孤独は一人暮らしだからというだけではありません。

恋人や家族と一緒に暮らしていても寂しさを感じる人はいます。

連絡先に知り合いの名前が並んでいても、本当の友達がいなくて苦しい時

もあります。

 

孤独かどうかを決めるのは、繋がりの量ではなく質だからです。

主観的に誰とも繋がっていないと感じるかどうかが問題なのです。

 

幸せに満ちた生活には人との繋がりが不可欠です。

孤独が長引くと寂しさや満たされない気持ちを感じるだけではなく

うつ病や自殺願望、攻撃性、不眠などの症状が出てきます。

 

心の問題だけではありません。

孤独によって、高血圧や体重増加、コレステロール値の上昇、ストレスホルモン

の増加、免疫力の低下といった身体的な不良が起こることがわかっています。

 

更に孤独な人は判断力や注意力が鈍り、意思決定が困難になります。

アルツハイマー病の症状も進行しやすくなるそうです。

 

長期的な健康を考えた時、孤独のリスクは喫煙のリスクにも匹敵します。

寿命を何年も縮めることになるからです。

 

いったん孤独になるとそこから抜け出すのは思った以上に大変です。

その原因のひとつは孤独な人が他人を信用しないからです。

自分にも他人にも批判的になり、人の言動をネガティブにとらえて疑心暗鬼に

陥ります。

 

更に怖いのが、孤独によって行動が投げやりになることです。

「どうせ何をやっても無理だ」

と思い込み、他人との関わりを投げ出してしまいます。

その結果、コミュニケーション能力が衰え、益々人との交流が難しくなります。

 

孤独が引き起こす症状は3つあります。

症状1)すべてがネガティブに見えて疑心暗鬼になる

症状2)孤独のあまり孤独を呼び寄せてしまう

症状3)対人スキルが低下する

 

では一つずつみてみましょう。

 

症状1)すべてがネガティブに見えて疑心暗鬼になる

人は自分がどれだけ孤独かということをなかなか認められません。

「寂しい人だと思われたくない」

孤独あることが恥の感情に結びついているからです。

自分を恥じる気持ちがあると、人付き合いはますます難しくなります。

 

ほんの短い期間の孤独でさえ、人の心に大きな影響を及ぼします。

ある実験によると

過去に孤独を感じた経験を思い出すだけで、現在の人間関係を否定的に

評価する傾向がみられたそうです。

しかも人前での不安や緊張が増して気分が低下し自分に自信がなくなり、物事の

いい面がみられなくなることが分かりました。

 

孤独は他人に対する見方にも影響します。

孤独な時ほど、他人に厳しくなり友人や恋人の言動をネガティブにとらえるように

なります。

 

また、数々の実験でも、人は孤独な人を簡単に見抜けるという結果が出ています。

孤独であることが分かると、その人に対する印象はネガティブになります。

孤独でない人に比べて、魅力や知性に対する評価が低くなるのです。

 

このように孤独は人の感じ方に色々な影響を及ぼします。

自分にも他人にも厳しくなり、会話や関係性がつまらなく感じられます。

そして他人から見た場合の魅力の下がり、人の興味を引きづらくなります。

そうした影響が重なった結果、孤独から抜け出して新たな人間関係をつくること

がとても難しくなるのです。

 

症状2)孤独のあまり孤独を呼び寄せてしまう

変化には孤独がつきものです。

たとえば

大学の新入生は親元から離れて、知らない人柄家の教室で孤独に直面します。

離婚や死別も深い孤独を運んできます。

会社を辞めたら孤独になったという人も多いでしょう。

 

新しい環境に慣れてしまえば、そういう孤独は消えていきます。

でも、ときには孤独が大き過ぎて新しい環境になじめないこともあります。

孤独にすっかり呑み込まれ、戦意喪失して自分の殻に閉じこもってしまうのです。

 

なぜそんなことになるのでしょう?

 

その答えは孤独の自己成就的な性質にあります。

孤独な人はそれ以上傷つきたくないために孤独から救ってくれるはずの

人達をも遠ざけます。

その結果、予想した通りに孤独が深まってしまうのです。

 

本当は自分で見えない壁を築いているだけなのに、そのことに気づけないのです。

これが孤独の罠です。

いったん孤独になると、そのせいで自分に自信がなくなり、傷つくことを恐れて

必要以上に相手を警戒します。

すると自然な態度に人に接することができなくなります。

悪い結果を予期するので人付き合いに積極的になれず、折角の出会いがあっても

不安で逃げ出してしまいます。

 

孤独の期間が長いほど、この悪循環に陥りがちです。

つまり、孤独な人ほど孤独から抜け出しにくくなるのです。

 

症状3)対人スキルが低下する

人との深いつながりが不足していた李、相手に対する努力を惜しんでいると

対人関係の「筋肉」が衰えます。

つまり、相手の気持ちが理解できなくなり、行動が的外れになるのです。

ところが対人関係の筋肉が弱っていても、私たちはなかなか気づきません。

 

体の筋肉と同じように、対人関係の筋肉も一日で強くなりません。

最初は苦しい思いもします。

孤独な人にとって対人スキルの習得はそう簡単なことではないのです。

傷つくリスクを冒しながら少しずつ対人スキルを練習する必要があるのです。