安全圏から出る
心理学者のダリル・ベムは、自分が自分のことをどう考えるかを決めるのは、
他の人をどう考えるかを決めるのと同じ方法、つまり「観察」という方法に
よるということを発表しました。
人を助ける男性を見たら、私たちは親切な人だと思い、信じる者のために立ち上がる
女性を見たら、信念をもった勇気ある人だと考えます。
同じように、人は自分自身についても、自らの行動を観察することによってどう
考えるかを判断します。
人に親切にしたり勇気ある行動をしたりすれば、自分自身に対する考え方が変わり、
自分をより親切で、より勇気ある人間だと感じるようになるでしょう。
この心理過程(ベムは「自己知覚理論」と呼んでいます)により、人はある程度の
時間をかければ、行動によって自分に対する考え方を変えることができます。
「完璧主義」もひとつの考え方ですから、行動を変えれば、完璧主義も変えることが
できます。
ここで考えてみましょう。
人生の中でくり返している、他人や自分自身に対するあなたの行動について
考えてみてください。
それらの行動パターンを考えると、自分はどうのような人間だといえますか?
ずっとやりたいと思っていながら、失敗を恐れてやらないできたことは何でしょう?
ぜひそれをやってみてください。
芝居のオーディションを受ける、スポーツチームの入団テストを受ける、誰かを
デートに誘う、書きたいと思っていた論文や本を書き始めるといったことでも
構いません。
行動する時には、最善主義を取り入れてください。
最初はぎこちないかもしれません。
ですが、安全圏(コンフォートゾーン)を超えて冒険をし、人に助けてもらったり
フィードバックをもらったりして、たとえ失敗しても気にしないでください。
安全圏から出たとき、あなたはどんなことを感じ、考え、どんな行動をとるで
しょうか?