すべてをシンプルにする
誰もが時間に追われています。
それがうつ病が増えている主な原因だともいわれています。
アメリカの心理学者が大学院生の頃、学生のサポートをするバイトをしていて
学生たちが履歴書を書くのを6年間手伝ったそうです。
毎年毎年、学生の業績が、少なくとも紙の上では、前の年の学生より立派に
なっていくことに驚きました。
はじめは学生たちのすばらしさに感銘を受けていたものの、ある日、気づきました。
より小さな文字を使用し、より派手な見出しをつけて1枚の紙に凝縮した業績を
つくるために、みんなどれほど大きな精神的代償を払っていることに。
事実、大学生に関するアメリカでの全国的な調査によると、彼らのうち95%が
「しなければならないことによって押しつぶされそうだ」と感じているそうです。
日本でもあまり変わらないでしょう。
私たちはたくさんの活動を日々の生活に押し込むことによって、忙しくなりすぎて
います。
その結果、私たちのまわりにある、幸せになり得るものに気づくことなく過ごして
いるのです。
仕事、授業、1曲の音楽、すばらしい景色、親友、もしくは子どものすばらしさ
さえも見失っています。
私たちの多くが、この多忙な競争社会の中で暮らしています。
では、その中でどうしたら生活をより楽しむことができるようになるのでしょうか。
これについては、うれしい事実と残念な事実があります。
残念な事実というのは、これを解決する特効薬のようなものはない、ということです。
私たちの生活を簡素化し、テンポを遅くするしかありません。
そして、うれしい事実とは、
するべきことを減らして生活をシンプルにしても、成功は妨げられるわけではない
ということです。
ここで考えてみましょう。
どのような分野や活動において時間に追われることが、あなたの幸福感を阻害
しているのでしょうか?
過去1~2週間の行動を書きだしてみましょう。
そのリストを見ながら、次の質問に答えてください。
・どの部分を簡素化できるか
・何をやめられるか
・ネットやテレビを観るのに時間を使いすぎていないか
・断れることを引き受けてはいないか
生活の中の「ビジネス(business)=忙しすぎ(busyness)」を減らしましょう。
「意義」と「楽しみ」の両方を感じられる活動に没頭する時間を定期的にとるように
しましょう。
たとえば、家族と一緒に過ごす、ガーデニングをする、ひとつのプロジェクトに
集中する、瞑想する、映画を観るなどです。