自分のココロに気づくブログ

不安や悩みと向き合う切っ掛け

困難から学ぶ

私たちの社会では「幸せでなければならない」という思いこみにとらわれていると

言われます。

その場しのぎの問題解決法や、苦痛のない人生のための自己啓発本が空前の

売れ行きをみせ、人々は感情的な苦痛を覚えるとすぐに精神科の薬を求めに

走ります。

 

その意味では、先の指摘は当たっているといえるでしょう。

しかし正確に言うと、人々がとらわれている思いこみは

「幸せでなければならない」というよりも「楽しさがすべて」というものです。

 

社会に満ちたその場しのぎの解決法は、私たちの「意義」への欲求を無視しています。

本当に幸福になるためには、ある種の自己啓発本や精神科の薬が回避しようと

するような不快な感情やつらい体験が必要です。

 

人は困難を克服することで幸福になれるのです。

 

精神科医ヴィクトール・フランクルは次のように述べています。

「人間が本当に必要としているのは不安のない状態ではなく、価値ある目標のために

努力することである。人間に必要なのは何としてでも不安を取り除くことではなく、

意義の達成に使命を感じることである」

 

人は困難な時期があるからこそ、より大きな喜びを感じられるようになるという

ことを忘れてはなりません。

困難こそが、人生におけるすべての喜びへの感謝の気持ちをつくり、この感謝の

気持ちこそが、真の生きがいや喜びの源になるのです。

 

ここで考えてみましょう。

大変だったり、つらかったりした経験を思い返してみてください。

そこからあなたは何を学びましたか?

どのように成長したでしょうか?

 

 

テキサス大学のジェームズ・ベネベーカーは、つらかった経験を書きだすことに

よって、気持ちの整理がつきやすくなることを立証しました。

被験者に4日間連続で毎日15分から20分間、怒りを感じたり、トラウマとなったり

した経験について書いてもらうという実験をしたのです。

 

被験者には秘密を守ることを約束し、できるかぎり心のうちをさらけだしてもらう

ようにしました。

4日間で合計1時間程度、この書くという作業に時間を使ったことにより、被験者の

不安感は驚くほど減少し、幸福感が増し、健康状態も改善しました。

 

これから4日間、次のベネベーカーの指示にしたがって、毎日15分から20分、

あなたにとってつらかったことを書きだしてみましょう。

 

「人生で最も怒りを感じたり、トラウマとなったりした経験を書きつづけます。

文法や文字の間違い、文章構成などを気にしてはいけません。その体験について

心の奥底でどのように想い、感じているでしょうか?

 

あなたにとって大きな影響があったものなら、何を書いてもかまいません。

他の人にはあまり語っていないことが理想的ですが、何より大切なのは、

最も深いところにある感情や思いと向き合うことです。

 

何が起こり、どう感じたか、そしていまどう思っているかを書いてください。

毎日異なる出来事について書いてもいいですし、ずっと同じ体験について書いても

構いません。

どのようなトラウマ体験を書くかは、まったくあなたの自由です。」