発想の転換2
1.神頼みの効果
被験者にバスケットのシュートの確率とお祈りの関係を調べる実験に
協力してもらった。
Aチーム
目隠ししても高確率で入るよう練習した後でシュートさせた
Bチーム
祈りの念じ方を詳しく伝えた後、Aチームのシュートが成功するよう祈らせた
Cチーム
Bチームが念じることでシュートが成功する確率が上がるかどうか観察させた
【結果】
Aチーム 念じてもらうと成功率が上がった、
Bチーム 念じれば念じるほど成功率は上がった、
Cチーム 念じることは成功率に影響する、と答えた
つまり、
どんなに大人になっても
一旦ある考えを信じると意識的にその裏付けを探そうとする性質がある。
「できる」と思える根拠がない、「できない」と思える根拠がある。
だから「できない」
まだやったことがない物事について、人は誰でもそういう心理に陥りやすいものです。
ところがこの「できない」という思い込みは、今までの経験につじつまを合わせる
ために形成されたものであって、新しいことをするには邪魔な存在です。
自分を変えるためには「念じる」という神秘的なことが意外にも効果的なのです。
なので、自分で「できる」と頭の中でくり返し、思い込むことは効果があります。
2.偏りのない評価をする方法
指示した食品を食べて他の食品との類似性を判断させた。
食品:不健康なアイス、苦い野菜、不味い揚げ物
Aチーム アイスを食べさせた
Bチーム 苦い野菜を食べさせた
【結果】
Aチーム 不味いという類似性から「苦い野菜」と「揚げ物」と答えた
Bチーム 不健康という観点から「アイス」と「揚げ物」と答えた
つまり、
自分が経験したものは肯定的にみるクセがある。
脳は自分の経験をできるだけ有効活用するために、
都合のいい「物の見方」をします。
そしてその見方がしっくりくると思い込みます。
この時点でもう他の角度から物事を見ることができなくなります。
なので、何かを評価する場合には
「もしも逆の評価をしてみたらどうか?」という視点をもつことで
意外な気づきが得られるようになります。
3.
被験者はパズルの解き方を教える教師役、仕掛け人が生徒役。
2つのチームには事前に下記の指示をした。
Aチーム 生徒によい点数を取らせなければならない
Bチーム 点数は求めず、パズルで学ぶことが目的
【結果】
Aチームの教師役は発言が多く、「~すべきだ」といった限定的な言葉や
「~しなさい」といった命令口調が多かった。
つまり、
やらされ感を持つと他人にもやらされ感を与えがち。
丁寧な言葉づかいで相手に配慮していても
悪気なく「~すべき」「~しなさい」というニュアンスのことを言う人がいます。
そこから「やらされ感」は生まれ、連鎖します。
部長から課長へ、課長から係長へと会社全体がやらされ感に満ちて
「こうしたい」という気持ちが失われていきます。
みんなが積極的に動くためには、指示や命令口調ではなく
「○○をいついつまでに仕上げてもらいたいんだけど、どうでしょう?」
「○○さんにやってもらいたいんだけど、如何でしょう?」
というように相手に決定権をゆだねれば、相手は自分で決定したこととして
自主的に動いてくれるようになります。