自分のココロに気づくブログ

不安や悩みと向き合う切っ掛け

失敗と挫折が引き起こす症状

人生は失敗や挫折の連続です。

それは生まれた時から始まっています。

赤ちゃんが歩けるようになるまでには何度も転び、痛い思いをして

それでもあきらめずに挑戦しなくてはいけません。

失敗は誰の人生にもあるものですが、失敗への反応は人によって違うようです。

 

4人の幼児が ”からくり箱” で遊んでいるところを想像してください。

箱を開けて中からぬいぐるみを取り出すためには側面のボタンを

左にスライドさせる必要があります。

ボタンに気づくのは簡単ですが、スライドさせるのは難易度が高い課題です。

 

1人目は、ボタンを引っ張りました。でも箱は開きません。そこでボタンを力いっぱい

押すと箱が転がってしまいました。手を伸ばしても届きません。

その子は諦めて他の遊びを始めてしまいました。

 

2人目は、ボタンを押したり引いたりしていましたが、やがて手を放して箱を

じっと見つめました。唇を震わせ、それ以上挑戦しようとはしませんでした。

 

3人目は、箱の上部を力ずくでこじ開けようとしました。

次にボタンを押したり引いたり何度も試し続けました。

そして10分後、箱は見事に開きました。

スライドした瞬間、箱が開いてぬいぐるみが飛び出してきました。

その子はうれしそうに声を上げ、ぬいぐるみを箱に戻すと、また最初から同じことを

やり始めました。

 

4人目は、3人目の子が成功したのを見て、顔を真っ赤にしました。

そして自分の箱を殴りつけると、わっと泣き出してしまいました。

 

大人が失敗に直面した時の反応もこれとよく似ています。

何かに失敗した時、どうせ手の届かない目標だと思い、投げ出してしまうことが

あります(1人目の子)

あるいは無力感に襲われ動けなくなります(2人目の子)

もちろん成功するまであきらめずに挑戦し続ける人もいます(3人目の子)

なかには失敗のストレスと恥ずかしさで我を失う人もいます(4人目の子)

 

失敗に対する態度は、その人の成功を決定づける重要な要因です。

また人生の幸福度にも深く関わってきます。

 

失敗は苦痛ですが、学びと成長のチャンスでもあります。

失敗しても深刻になり過ぎず、何がいけなかったのかを学び、成功するまで

あきらめないことが大切です。

 

とはいえ、失敗が辛いことは事実です。

時には心に大きな傷を残し、放置すると深刻な症状を引き起こすこともあります。

失敗に対する態度は幼いころに決まると言われますが、子供のころの態度が

一生変えられないわけではありません。

 

失敗が苦手で打ちのめされやすい人でも、もっと前向きな対処の仕方を学ぶことは

できます。

まずは失敗と挫折が私たちの心に及ぼす影響を正しく理解しておきましょう。

 

失敗と挫折が引き起こす症状は3つあります。

1.自信がなくなり成功が遠く感じる

2.努力することが無意味に思える

3.次も失敗するのではないかと怖くなる

 

1.自信がなくなり成功が遠く感じる

失敗は自己イメージにも悪影響を及ぼします。

大きな失敗をしたあとは否定的な考えばかり浮かんでくるからです。

「ぼくは最悪だ」「何一つまともにできない」「本当にバカだ」

こうした否定的な考えは百害あって一利なしです。

 

否定的な考えや言葉は自分を傷つけます。

よくないことだと分かっているのに自虐的な気分に流されてしまうのです。

こうした否定的な考えを持っていると、自信を喪失し、

本来の力が出せなくなります。

 

失敗を必要以上に恐れるようになり、劣等感のあまり

日々の生活を楽しめなくなることもあります。

 

更には、失敗の原因を直視できないため、次に同じ失敗をする確立も高まります。

「どうせ自分はだめだ」

と嘆くより、やり方を見直して次に備えた方が成功の確率はずっと高まります。

 

2.努力することが無意味に思える

失敗は自信とやる気を奪います。

未来への希望がくじかれ、努力することが無意味に思えてきます。

どうがんばっても目標には届かない気がするからです。

 

このように無気力感に包まれると私たちは努力することを止めてしまいます。

本当はあと一歩のところまで来ていたかもしれないのに、

それ以上前に進むことを止めてしまうのです。

 

こうした無力感とあきらめは心の健康を大きく損なう要因にもなります。

 

3.次も失敗するのではないかと怖くなる

元々成功の見込みが低い時には、失敗してもあまりショックを受けません。

宝くじに外れたからといって絶望して立ち直れなくなる人はいないのと同じです。

 

一方、成功の見込みが十分あるときには、失敗することが怖くなります。

「失敗したらどうしよう」

という不安やプレッシャーは適量であれば役に立つのですが

多すぎると悪い結果に繋がります。

 

大事なテストの時に緊張してお腹が痛くなったり、頭が真っ白になった経験

があるかもしれません。

そんな状態を心理学では「テスト不安」と呼びます。

 

テスト不安は思考録を低下させることが知られています。

このテスト不安は過去の失敗によって引き起こされることが多いと言われています。

一度失敗すると次も失敗するのではないかと不安になるのです。

 

失敗や挫折が引き起こす症状についてみてきました。

思い当たる節があったかもしれません。

失敗の傷を手当てする方法は次回お話します。