効果的な目標設定2
1.親睦会の落とし穴
実験
AチームとBチームに分かれて少年たちがキャンプ場で共同生活をしています。
1週間後、もうひと組みキャンプで共同生活しているCチームが
いることを知らされます。
そこでこの2グループで商品をかけてスポーツ大会を実施。
すると相手チームを敵視し罵倒するようになりました。
どうすれば仲良くできるか検証。
ケース1:一緒に楽しいことをする(映画をみたり、ご飯食べたり、花火大会など)
結果:かえって対立が激しくなった
ケース2:一緒に共同作業をする(修理や調査など)
結果:相手チームへの行為が急激に高まった
つまり、一緒に楽しいことをするよりも
協力が必要な場面を共有した方が信頼関係が芽生えやすい。
こじれた人間関係を修復させるにはどうしたらいいのか?
事情を知る第三者が間に入って、仲直りの場を設けるのが一番いいような
気がします。
ところが実験のとおり
親睦を深めさせようという試みはかえってお互いの敵対心を増加させてしまいます。
強引に歩み寄らせたことによって、性格や価値観の違いがかえって際立って
しまったとのこと。
一方、協力が必要な課題を与えた途端、敵対していた両者は打ち解け、
結束を固めました。
これは共通の敵=課題ができたからです。
力を合わせることは、人の距離を縮める絶好のチャンスなのです。
社内で陰口やいじめなどが起こるのは
共通の目標や課題を見失っている証拠です。
始めは抵抗があるかもしれませんが敵対関係の人たちで共同作業に
当たらせると次第に風通しがよくなるでしょう。
2.全員にミッションを与えることの意義
実験
1人から8人まで人数をかえて綱引きやって、
1人当たり何キロの力で綱を引いたか測定しました。
結果
1人:63キロ
3人:53キロ
8人:31キロ
つまり、大勢の人が一緒だと他の人に結果をゆだねやすく
誰かがやってくれるだとうという心理が働く。
一人一人に手を抜いている自覚はないものです。
それでも何人かで同じ作業をしていると
無意識に「他の誰かがやってくれるだろう」という依存心が生まれ
力を手加減させてしまうという現象が起こります。
会議の場などでは意見があったとしても発言しないのは
変な責任を押し付けられても困るし黙っておこうということもあるでしょう。
生産性を高めるには一つの課題に取り組む人数はできるだけ少なくする方が
いいと言えます。
チーム作業が必要な場合は
仕事に取り掛かる前に一人一人の責任範囲を明確にしておくことが重要です。
「自分一人くらいサボっても大丈夫だろう」という状況ではなく
「自分がやらないとダメだ」という状況を作ることが大切です。
その時に、任せたら口出しはしない、その代わり誰も手助けない
というルールも効果的です。
こんな風に一人一人に責任を割り振れば誰が結果を出したか、誰が手を抜いたのか
第三者が見てもはっきり分かるようになり、その人本来の力を発揮します。
強いチームというのは存在しません。
ただ強い個人が複数いる状態が存在するだけなんです。