集団の中の個人心理
1.きっと誰かがやるだろう
実験A
仕掛け人の学生が路上で具合が悪くて倒れたフリをします。
そこを通りかかった被験者が仕掛け人を助けるかどうかを調査しました。
結果
被験者1人:8割以上が仕掛け人を助けた
被験者5人:3割しか仕掛け人を助けなかった
実験B
被験者に部屋で作業をさせ、その部屋に煙を流し込みます。
結果
被験者1人:7割が通報
被験者1人+サクラ2人:1割しか通報しなかった
上記の2つの実験のように大変なことが起こった、さぁどうするか?
「まぁ、どうせ誰かが手を貸すんだろう」と思う。
なぜなら、その人は自分よりもずっとうまく対処してくれるに違いないから。
人は様々な感情をもつ中で、克服しづらいのが
「失敗して恥をかくことを恐れる気持ち」です。
頭では手を貸すべきだと分かっていても、目の前で起きた出来事が
緊急事態だと確信できない限り、感情が行動にストップをかけてしまいます。
それは不親切なのではないく、確信がもてない不確かさが原因なのです。
なので
あなたが助けを求める場合は
「緊急事態なので助けてください」とはっきり言葉で表現する必要があります。
また大勢に向かってではなく、一人の人をピックアップして
その人に助けを求める方がいいでしょう。
助けを求められた方も自分の力が必要なんだと確信すれば、
無視しにくくなります。
2.役割は人に大きな影響を与える
実験
学生に囚人役と看守役を与えました。
囚人役:囚人服に着替え刑務所に見立てた部屋に入れられる。
看守役:制服に着替え、囚人役を監視する。
結果
看守役は囚人役に腕立て伏せなどを強要。
夜も眠らせないようにした。
抵抗した囚人役には消火器を噴射し独房に閉じ込めた。
行き過ぎた行動も「職務を全うするために必要だ」と考えた。
囚人役は実験直後は
看守役に対して服従的な態度をとるようになった。
この実験から
持って生まれた性格とは関係なく
人は与えられた役割に大きく影響を受けることが分かりました。
役割は人を変えます。
例えば
「○○さんはこの会社で最も○○する人です」
と言葉にするだけで、○○さんはその業務に情熱を傾けるようになります。
親の前の自分、パートナーの前の自分、友達の前の自分の
役割はそれぞれ違います。
同じ友達でも、それぞれの友達の前での役割は違います。
それぞれの環境で生き残るために、人はずっと自分の役割を演じてきました。
なので新しい役割を持てば、また新しい力を発揮することでしょう。
世界トップクラスの経営者は役者のように、時と場合によって自分を
使い分けると言います。
自分は「どんな存在でありたいか?」を考えてみてください。
部下には「どんな存在であってほしいか?」を伝えてみてください。