自分のココロに気づくブログ

不安や悩みと向き合う切っ掛け

失敗から学ぶ

臨床心理学者であるリチャード・べドナーとスコット・ピーターソンは自尊心に

関する共著の中で、コーピング(失敗の危険を冒しながら、困難なことに積極的に

対処しようとすること)が自信を強めると報告しています。

 

失敗するかもしれないからと挑戦を避けていては、自分自身に対して、

「自分は困難なことや失敗に対処することができない」というメッセージを

送り続けていることになります。

その結果、自尊心は損なわれてしまいます。

 

困難に挑戦することは

「自分は失敗を恐れないし、たとえ失敗してもすぐに立ち直れる」

というメッセージとなり、心に深く届きます。

あきらめずに立ち向かうことは、勝ち負けや、失敗か成功かという結果よりも、

自尊心にとって、長期的にいい結果をもたらすのです。

 

また逆説的ですが、自分は失敗に対処できるという自信は、「失敗すること」に

より強化されます。

なぜなら、私たちがずっと怖がってきた失敗という化け物は、考えているほど

恐ろしいものではないからです。

 

失敗も、実際に直面するとたいしたものではありません。

実際に失敗したときのつらさよりも、失敗するかもしれないと感じるときの恐怖の

ほうが、じつは私たちを痛めつけるのです。

 

ハリーポッターシリーズの作者J・K・ローリングは、失敗の価値について、2008年

ハーバード大学の卒業式で行った講演で次のように述べています。

 

「失敗は不要なものをそぎ落としてくれます。(中略)私は自由になれました。

最も恐れていたことが現実となりましたが、それでも私はまだ生きていました。

私には愛する娘がいて、古いタイプライターと、途方もないアイデアが残っていました。

そのどん底の状況が、私が人生を立て直す強固な基盤となりました。(中略)

 

失敗は、試験に合格することでは得られなかった心の平安をもたらしてくれました。

失敗がなければ自分自身について深く学ぶこともできなかったでしょう。

私には強い意志と、思っていた以上の自制心があることがわかりました。

また宝石のルビーよりも価値のある友人たちに恵まれていることもわかりました。

 

(中略)失敗からより賢く、強くなったということに気づけば、これからもずっと

生き延びていけると自信をもつことがきます。

困難や障害と向き合うのが早ければ早いほど、人生の避けられない障害にうまく

対処できるようになるのです。」

 

ここで考えてみましょう。

過去に、思い切って挑戦したことを考えてみてください。

その経験からあなたは何を学びましたか?

そしてどのように成長したでしょうか?

 

 

心理学者のシェリー・カーソンとエレン・ランガーは「没頭と自己受容」に関する

研究において、こう述べています。

 

「自分の過ちをじっくり検証して失敗から学べば、自分自身とまわりの世界について

の観察力が強まり、自分が犯した過ちと自分自身を許すことができ、未来の成長の

指標として感謝できるようになる」

 

今週1週間、毎日15分かけて、失敗した経験やその状況について書いてみましょう。

何をしたか、心にどんな思いがよぎったか、そのときどう感じたか、そしてそれを

書いているいま、どのように感じているかを書いてください。

 

時間がたつことによって、その出来事に対するあなたの見方は変わりましたか?

その経験から何を学びましたか?

その他、その経験を価値あるものと考えられるような、どんないいことがあった

でしょうか?