自分のココロに気づくブログ

不安や悩みと向き合う切っ掛け

解釈を変える

認知療法の基本的前提は、

「人は出来事そのものに対して反応するというより、その出来事への自分の解釈に反応する」

というものです。

 

ある出来事をどう解釈するかによって、思考が生まれ、その思考によって感情が

生まれます。

 

たとえば

赤ちゃんを見て(出来事)、その赤ちゃんを自分の娘だと認識し(思考)、

愛情を感じる(感情)とか、

講演者が講演を待つ聴衆を見て(出来事)、恐ろしい存在だと解釈し(思考)、

不安を感じる(感情)という一連の流れです。

 

認知療法の目的は、歪んだ考えを取り除き、現実感を取り戻すことです。

不合理な考え方、つまり認知の歪みがあることがわかったら、その出来事に対する

考え方を変え、違ったように感じればよいのです。

 

たとえば

就職のための面接試験の前に身動きができないような恐怖を感じたら、自分はわざわざ

「もし落ちてしまったらすべてがおしまいで、2度と就職できないだろう」

といった不安をもたらすような考え方をしていると意識するのです。

 

そして、その歪んだ考えを正し、

「この仕事にはぜひつきたいけれど、他にもいい職はある」

というもっと合理的な考え方に置き換え、解釈しなおすわけです。

 

激しい思考の歪みは、失敗への不健全な恐怖心を生みます。

合理的な思考は状況を見直し、健康的なチャレンジ精神をもたらせてくれます。

 

ここで考えてみましょう。

あなたがこれまでに、激しい感情的な反応を起こしたときのことを思い出して

ください。

あなたの反応は適切なものでしたか。

その状況に別の解釈はできますか。

 

 

心をかき乱すような扶南な感情に対処するのに役立つ方法のひとつとして、

PRP法があります。

 

PRP法とは、

自分自身が人間であることを許すこと(P=Permission)

現状を再構築すること(R=Reconstruction)

そしてより広い視野から見ること(P=Perspective)

の3段階を踏む方法です。

 

最近の腹が立った出来事や、将来の心配事を使ってこの方法を試してみましょう。

 

まず、自分が人間であることを許し、起こった出来事とそのときに感じた感情を

あるがままに認めます。

 

信頼する人に話したり、どう感じているかを書きだしてもいいですし、ゆっくりと

時間をとって落ち着いた場所に行き、その経験がいま

実際に起こっているかのように感じるのもいいでしょう。

 

この段階には5秒、5分間、あるいはもっと長く、必要と思うだけの時間をかけます。

 

次に状況を再構築します。

その出来事がもたらしたよいことは何かをじっくりと考えます。

 

決して楽しいことではないかったかもしれませんが、

それによって何かいいことはなかったでしょうか。

何か新しいことを学んだり、自分自身や他の人についての洞察力がついたり、

人の気持ちがもっとわかるようになったりはしなかったでしょうか。

いまあるものにもっと感謝できるようにならなかったでしょうか。

 

最後の段階として、一歩引いて、その状況を広い視野で眺めてみます。

 

その経験をより大きなスケールで考えることができますか。

1年後、その状況をどう考えると思いますか。

小さなことで大騒ぎをしてはいないでしょうか。

 

PRP法を実践する場合、必ずしも順番にやる必要はありません。

「許可」から直接「広い視野から見ること」に飛んでもかまいません。

その後「状況の再構築」へ進んでからまた「許可」へともどるなど、

順番は自由でいいのです。

 

いままでの経験を思い出していってもいいですし、いま起こっている出来事に対して

試してみるのもいいでしょう。

 

このワークは定期的に繰り返しやるようにしてください。

やればやるほど、多くの効果がえられるようになるでしょう。